取り組み PROJECT

和歌山城のお濠浄化プロジェクト

和歌山城お濠の浄化は難しいは既成概念

いろいろな技術が挑戦し、「和歌山城の、お濠の浄化は難しい」と言われ続けてきました。関係者によると、多くの技術が挑戦し浄化に成功した技術は見たことがないと…。

一般的に考えうるのは、微生物の力を借りた浄化方法と、ハイテク技術を使用した装置による方法ですが、環境技術は過去において最優先される技術ではありませんでした。
既成の技術では解決の道が開けなかったのが、浄化は不可能に近いとの概念が定着してしまった要因です。

和歌山城お濠の浄化は難しいは既成概念

既成技術の問題点

では、既成技術をどう改良すればよいのでしょうか…

私たちは、機械的技術、「SSUシステム」と自然界の力「微生物」の二通りで検討してみました。「SSUシステム」は上水の前処理技術をコンパクトにしたシステムで、「微生物」は元来湖沼や河川に雨水と共に流れ込んでいた微生物ですが、現在は護岸工事などで流れ込まなくなってしまっている土壌由来の「微生物」ですが、環境の変化に追従できるよう複数種を「固相培養」で生産したものです。

既成技術の問題点

SSUシステム

SSUシステムは右の写真の外観で、機器の大きさが小さいことに特徴があります。
右の写真が500㌧/日の処理能力を持ちます。同じ性能を持つ活性汚泥法施設の1/500程度の大きさです。処理能力は機種により、50㌧/日から百万㌧/日まで、任意の大きさで製造が可能です。写真より、500㌧/日処理機の大きさは、1.2m×3m×2.3m高です。
河川や湖沼・湾などの浄化が可能なことにも特徴があります。
また、ランニングコストの低さにも定評があり、通常の活性汚泥法に比して3/10~1/10程度と低い数値で経済的です。

SSUシステム

浄化作業

仮置き状態のSSU処理器です。

現在の濠の水質は、写真のような状態です。
SSUユニットでは浄水処理時に重金属を含んで処理する能力を持ちます。
最終的に、浄化水の水質検査を行います。

浄化作業

機材(機器)の概要

写真のガラス管部分を経由して取水
左右1対の処理槽に送水します。
送水中に薬剤(上水場と同じ)と混合されます。

機材(機器)の概要

機材(機器)の概要

写真のガラス管部分を経由して排出
処理槽で処理後排水されます。
ガラス管部分で処理水を目視できます。

機材(機器)の概要

現場記録画像

浄化前 浄化前の現場写真です

運転時の状況

試運転が終わり上屋が舗設されて、SSUの稼働が開始された画像(左)です。

右画像は、数日経過後のお濠の水の目視画像

運転時の状況

運転時の状況

終盤時の状況

下画像は、7,500㌧処理後のお濠の水の目視画像

終盤時の状況

継続的浄化の必要性 西外濠の特性

和歌山城の西外濠の継続的浄化には、SSUの間欠運転、または微生物叢の改善により、嫌気圏・好気圏のバランス構成が必要です。

西外濠は水の循環が無いために蒸発を伴う濠の水の損失で水の汚れが濃縮されます。

可動タイプのSSUシステム又は1度/年の微生叢の調整、あるいは両方の施用が必要となります。

赤褐色や黒色のプランクトンの異常繁殖が見られる場合は併用が望ましいと考えられます。

右に、単独、又はSSUとの微生物による浄化に係る、微生物処理の例を提案します。
別途、説明書やリーフレットを準備しています。

継続的浄化の必要性 西外濠の特性